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武雄図書館に行ってきました [他の図書館]

県南・県央地区の高校学校司書などのメンバーで、話題の武雄図書館に行ってきました。
これまで、賛否両論いろいろな意見が出ていますが、やはり自分の目でも見てみたいという気持ちがあり、少し疲れていましたが、せっかくの機会なので参加しました。

10時40分に諫早駅裏に集合し、貸切のマイクロバスで、高速道路を使うとやく1時間ほどで武雄に着きます。
先に昼食を済ませて、午後1時から3時半までじっくりと。

「司書部会」での見学ではありますが、利用者が多い時期なので、図書館の方から説明していただくことはせず、それぞれで自由に館内を見て回りました。
写真撮影は不可になっているので、撮影はしていません。

駐車場は満車で、一番奥の「観光バス用」のスペースに駐車。
強い日差し、気温も相変わらず高かったのですが、建物の外にあるベンチにも多くの人が。
中も人でいっぱい。
入ってすぐに「書店スペース」のおすすめ本が平積みされていました。
左側にあったレンタルDVDのスペースから見学。
その後、書店スペースを見ながら、「どこからが図書館だろう?」と境目を探しました。
境目が見つかれば、あとは混乱はしません。
背ラベルが貼ってあれば図書館の本、なければツタヤの本だとわかりますし。
売り物の本は、入口付近の平積み、壁面、床置き書架とコーヒーショップに面した棚など。
それ以外の奥まったところは図書館。
ただ、児童書のところがツタヤのものと図書館のものとが続いているので、子供たちには区別が付かないこともあるかも。

図書館部分の本の分類が独特でした。
NDCの分類をしながらも、ジャンル分けはかなり柔軟。
たとえば、「エンターテインメント」では、049や699、769などが混ざっておいてあります。
NDCで探そうとすると訳が分からなくなりそうです。
ただし、検索機で検索すると、その本がどこの棚にあるか、図で示してあるし、NDCを知らない人にとっては、こちらの分類がわかりやすいかもしれません。
これはこれで違った本との出会い方ができそうでもあります。
結局は、この図書館の配置になれればいい、ということですね。

コーヒーショップの席では、コーヒーを飲みながら本を読んでいる方がたくさん。
でも、図書館の本を読んでいる、というよりも、買った本や雑誌を読んでいるように見えました。

図書館スペースは、棚の配置が工夫されていました。
コーヒーショップのすぐそばでは、高書架で「個室」を作るように置いてありました(天井は開いています)。
高書架を箱形に並べて3方に入口があり、コーヒーショップの面だけ入口なし。
1つの「個室」に1つのジャンル。
コーヒーショップはざわざわしていますが、この「個室」の中は雑音は軽減されます。
入口はが3方にあり、そのうちの2つは、見通しがきくようになっているので、閉塞感はありません。
音を遮断し、閉塞感もなく、コーナーを作る工夫。

図書館スペースの一角に、DVDが並んだ棚が。
そばにいらした係の方に尋ねると、「これは図書館所蔵のDVDです」。
入口近くのコーナーは、ツタヤのレンタルばかりだったんですね。
私は、どれがレンタルで、どれが図書館のものなのだろうと思いながら、たくさんのDVDを見ていました…。
ツタヤのレンタルの圧倒的な量に比べると、図書館所蔵の方はすごく少なく感じました…。

更に奥には、閲覧机が並ぶスペースも。周りの壁には歴史、新聞のバックナンバーも。
2階の学習室は、社会科学(3類)の政治、法律分野と言語(8類)の本が壁面に。
どちらもかなり静かで、席はほとんど埋まっていました。
吹抜の2階部分は3類の経済、統計や6類の本。
下を見下ろすようにカウンターがあり、ここも埋まっていました。
ただ、エアコンは効いていなくて、天井のシーリングファンの風が生温かく…。

どんな図書館かを文章で説明するのは難しいですなあ。
「図書館」というよりも、図書館の建物を改装した「複合施設」だと考えた方がいいかもしれません。
単独の図書館から複合施設に変わってしまったのですから、図書館としての機能が低下してしまいます。
たとえば、児童図書のコーナーによくある、直に座れるカーペットが敷いてあるコーナーはありましたが、狭い。
特に今日は、子ども連れの家族が多くて狭く感じましたが、平日はどうなのでしょう。
また、書架がかなり高いところまでありました。
そこにある本は、書庫に置くような本だったり、飾りそのものだったりですが、簡単に取り出して見ることができないのは残念です…。
鍵のかかる棚に貴重図書があって、そこの本が多すぎだと感じました。
佐賀県の統計書など「これくらいの本なら、私の住む市の図書館では自由に見られるのに…」と思いました。
図書館スペースが狭くなって、そこにたくさんの本を置かなければならないから、こうなるのでしょうね。
「すわるところが…」という声も聞こえてきました。
確かにこれだけ棚が並んでいるのに、ちょっと座って本を読みたい、と思ったら、イスがない、だったらコーヒーショップに…となりそう。

入館者数が何倍にもなった、と報道されていますが、図書館だけの建物が、図書館+書店+コーヒーショップになったわけですから、単純に比較することはできないと思います。
一方で、貸出冊数がどれだけ増えているのかは大事だと思います(おそらく増えていると思います)。
複合施設になったことによって、図書館に来なかった人でも、本を買いに来て、図書館も寄ってみよう、とか、コーヒーショップに来たついでに図書館を見てみよう、というきっかけになるでしょう。逆に、図書館で借りた本を書店で買おう、とか、買った本をコーヒーを飲みながら読む…とか、相乗効果がありそうです。
(始めて来たような話をしていた来館者の声も聞こえてきました…)。
人口規模の小さい町ですが、これだけの賑わいを作り出したことも、街の雰囲気にプラスになっているでしょう。
そういう点では、成功していると言ってもいいと思います。

しかし、今までの図書館を利用していた人から見れば、図書館としては物足りない、とか機能が低下したという意見も出てくるでしょう。
それは、(どこの図書館も同じですが)今後改善を求めていって、よりよい図書館にしていけばいいと思いました。
市長さんが、そういう人たちの意見を聞いてくださればいいですなあ。


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